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歯科と不妊の関係性

[2024.10.16]

執筆:こどもおとな歯科理事長 佐々木賢

2022年に不妊治療の保険適用範囲が拡大され、体外受精などを含む基本治療が保険診療となって久しいですが、今もなお、不妊に悩んでいる方も多くいる昨今。

これまで歯周病原菌は、お口の中だけでなく全身の様々な疾患と関連があるとされてきました。

特にプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)と言われる歯肉炎や歯周炎などの歯周感染症に関与するグラム陰性の編性嫌気性病原菌は、女性ホルモンを栄養源とし、思春期や妊娠期の歯肉炎の原因となったり、また、歯周病に罹患したことによる炎症性サイトカインが子宮の収縮を引き起こし、早産を惹起するとされ、歯科疾患(歯周病)は妊娠との関連性も高いです。

そして、2023年に名古屋大学の研究グループが、これまた歯周病原菌の一つであるフソバクテリウム(Fusobacterium)の感染が子宮内膜症の発症を誘導するという論文を発表しました。

子宮内膜症は、生殖年齢女性の約10%が罹患し、障害に渡り骨盤痛、不妊症、癌化など様々な問題を引き起こす疾患で、子宮内膜症の機序は様々提唱されていますが、これまで明らかにされてきませんでした。

とりわけ少子化への対応が喫緊の課題である現代において、子宮内膜症の克服は重要な課題のひとつです。

妊娠期のみならず、妊娠を望む女性及びそのご家族や、未来の人生を豊かに過ごすためにも、予防的に歯周病対策・治療を行うことはより一層大切なことだとこの論文発表からわかったわけです。

定期的に歯科検診をされている人の方が、そうでない人に比べて健康寿命が伸びるということもあり、お口の中の健康を維持すること=人生を謳歌することといっても過言ではないかもしれませんね!

歯周病症状にお悩みの方、こどもおとな歯科では歯科衛生士による歯周基本治療(定期検診、クリーニング含む)はもちろんのこと、歯科医師による歯周外科治療も行っております。
他院で治療を断られた経験のある方も、一度ぜひ当院にご相談にいらしてください。

また、歯周病になっていないか不安な方なども、お気軽に検診にいらしてくださいね!

こどもおとな歯科では、口腔外科専門医や国際インプラント認定医、矯正歯科専門医など多数の専門医が在籍しており、また小児歯科も行っております。
お子様の歯科デビューから、親知らずの抜歯なども得意としておりますので、皆様のご予約お待ちしております!

参考文献

フソバクテリウム細菌感染は子宮内膜症の発症を誘導する - 子宮内膜症治療に新たな光!- - 名古屋大学研究成果情報

Fusobacterium nucleatum 由来の細菌性内毒素に関する研究

歯周組織の炎症と不妊の関連性を示唆する, ある侵襲性歯周炎患者の病態生理

歯周病と産婦人科疾患の関連性

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