虫歯治療
痛みを少なく、健康な歯を
最大限残すための治療を心がけています
虫歯でお悩みの患者さんはけっして小さなお子さんばかりではなく、大人の方も非常に多いです。痛みを感じる段階ではかなり進行した状態である可能性が高く、放置するほどに抜歯せざるを得ないほどの深刻な状態へと陥りやすいため普段からの警戒が必要となります。
虫歯はどうしてできるの？
虫歯ができる原因は甘いものだけと考えていませんか？虫歯ができる根本にはミュータンス菌と呼ばれる虫歯菌の存在があります。このミュータンス菌が出す酸によって私たちの歯は溶けやすくなってしまうのです。この状態が長く続くことによって歯が浸食され、いずれ強い痛みを生じるようになります。多くの場合、この痛みを感じて初めて虫歯ができていることに気づかされるのです。
ミュータンス菌は年齢問わず、すべての方の口腔内に必ず存在しています。
この数をできるだけ増やさないように防ぐことこそが虫歯予防となります。
歯磨きをすれば虫歯は防げるの？
大きく言えば歯磨きである程度防ぐことが可能と言えます。しかし、虫歯の発生には主に以下の3つの要素が複合的に関係しています。虫歯を予防するには、この3要素をしっかりと取り除けるほど丁寧でこまめなブラッシングができているかどうかがとても重要となります。
① 磨き残し（汚れ）
ミュータンス菌のかっこうの住みかとなります。
② 時間
汚れた歯の状態でどれくらい放置してしまうか。糖にさらされている時間が長いほどミュータンス菌が酸を大量に出してしまうため、歯が溶けやすい状態となります。
③ 糖分
ミュータンス菌にとって糖は大好物なエサとなります。口腔内に糖分が多く蓄積してしまうほどミュータンス菌の動きが活発になります。
さらに
年齢的な問題
特に生え変わり期のお子さんの歯はもろく、酸に溶けやすい構造をしているため要注意となります。
唾液の質や量の個人差
唾液はもともと中性ですが、人によっては酸性気味の方もいます。ミュータンス菌にとって酸性の口腔環境はとても快適でより繁殖しやすい状態となります。また、唾液量も個人差が大きく、量が少ない場合には中性に戻す力も弱くなり虫歯ができやすくなってしまいます。
生活習慣の乱れ
就寝前の飲食や睡眠不足、過度なストレスや疲れなども口腔内の環境に対し悪影響を与えやすくなります。
などといった個人の抱えられているご事情も複雑に重なりあうことで、虫歯が発達しやすい環境が作られてゆきます。
どれだけ丁寧にブラッシングをしても、細かな部分で磨き残しは誰でもあるものです。プロのケアを定期的に加えることによって虫歯の発生リスクが大幅に減少します。
こんな方は虫歯に要注意！
甘いものをよく食べる
口腔内が酸の影響を受けやすくなってしまいます。甘いものを日常的に食べ続けることによって唾液も酸性に傾きやすくなる危険があります。
夜寝る前に食べることが多い
本来、唾液には2～3時間ほどで口腔内を中性に戻す働きがあります。しかしながら睡眠時には唾液の分泌量が減ってしまいますので、例えば寝る前の2～3時間以内に食事や甘いものを取ってしまうと、唾液が十分に口腔内を中性に戻せないままお休みしてしまうこととなります。酸性状態の口腔内ではミュータンス菌が活発に活動してしまいますので虫歯になりやすくなってしまいます。
一日中ダラダラと食べてしまう
例えば朝、甘いコーヒーを飲んで、仕事をしながらお菓子をつまみ、ランチに出かけて午後もアメやお菓子を食べながら夜遅く帰宅して夕食を摂るなどといったサイクルでは一日中ダラダラと糖を摂取してしまう状態となります。まさにミュータンス菌がとても快適に棲みついてしまう環境となります。
虫歯の診断について
すでになんらかの異常を感じられている場合には
症状を詳細にお伺いします
すでに痛みや違和感を感じられている場合には症状について詳しくお聞きします。特に痛みがある場合にはすでにかなり進行してしまっている可能性が高いです。
実際に口腔内を観察させていただきます
特に痛みを感じていない場所にも虫歯の影響が広がっている可能性があります。実際に口腔内をつぶさに観察し、状態を確認させていただきます。
浸食の程度や深さなどを確認します
目視だけではわからない歯内部の状態や影響を受けている可能性のある範囲を確認させていただきます。必要に応じてレントゲン等の検査を加えます。
虫歯の進行度合い
歯は大きくエナメル質・象牙質・歯髄という3つの材質でできています。
エナメル質
歯の表面を覆っている一番外側の層をエナメル質と言います。歯を守る鎧のような役目を果たします。
象牙質
歯に対して栄養を行き渡らせている場所となります。
歯髄
いわゆる神経と呼ばれる部分となります。さまざまな刺激を脳へ伝える重要な部位であり、無数の毛細血管が詰まっている大切な場所です。
| C1 |  |
エナメル質部分の浸食が始まります |
| C2 |  |
象牙質にまで虫歯菌が到達します |
| C3 |  |
歯髄にまで影響を与えている状態となります |
| C4 |  |
抜歯しなければならない最終段階となります |
特に大人の虫歯は痛みや違和感を感じられてから気づかれることが大変多いです。すでにかなり進行した状態となりますので、必然的に治療期間も長くかかってしまうこととなります。定期検診などを利用しながら、ぜひ早期に異常発見できる体制作りを心がけるようにしてください。
当院では治療の際の負担を極力少なくするための
さまざまな取り組みをおこなっております
電動麻酔器の使用
針を刺す瞬間の痛みや麻酔を注入する際の圧をコントロールできることで痛みを軽減することができます。
マイクロスコープによる精密な切削
虫歯菌に浸食された部分は除去する必要があります。当院では顕微鏡レベルのスコープにて治療を行っているため、削らなければならない部分も最小限に抑えることができます。そのため健康な歯の部分は最大限残すことが可能となります。
短い通院期間
治療箇所を最小限に抑えられるため、通院回数も少なくなります。
患者さんとのコミュニケーションを大切にしています
治療を安心・安全に進めさせていただくためには、何よりも患者さんとの信頼関係が不可欠となります。治療の進み具合などは随時わかりやすくご説明させていただき、しっかりとご理解・ご納得いただいた上で次のステップに進むようにいたしております。
虫歯治療は早期発見・早期治療が鉄則です
虫歯は放置するほど進行します。削らなければならない歯の量も増えてしまいますし、通院期間も費用も大きく膨らんでしまうことに繋がります。虫歯はできるだけ早期に小さな範囲で抑え込むことが鉄則です。虫歯ができる仕組みをまずは正しく知り、本質的に虫歯を繰り返さない意識を持つことがとても重要となります。ご自身の歯に勝るものは他にはありません。毎日のブラッシングを丁寧に行うことを意識するだけでなく、生活習慣の見直しにもぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。加えてクリニックでのプロのケアや定期検診の機会もあわせて取り入れていただくことで、再発リスクの低減や異常の早期発見に効果的となります。
